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I n f o r m a t i o n

[鼻茸でお困りの方]

2020/10/20
この記事は鼻茸でお困りの方に読んでいただきたい。
鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の患者さんに、新しい治療法がでました。
人型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体というもので、商品名をデュピクセントといいます。
(参考:サノフィ株式会社HP https://www.support-allergy.com/)

【デュピクセント】
慢性副鼻腔炎に伴う鼻茸の治療は内服や点鼻で治療を行い、改善がないときには手術治療を行うのが現状でした。しかし、鼻茸は再発しやすく、手術治療後に鼻茸が再発して数回再手術を受ける患者さんも少なくありません。
そこで今回登場したのが「デュピクセント」という注射剤です。
注射することにより、鼻茸を小さくすることができる注射剤になります。
2週間ごとに1本皮下注射を行います。

打てる人には下記のような条件があります。
・過去に副鼻腔手術をしたことがあり、再発した人
・心臓やぜんそくなどの基礎疾患があり、全身麻酔の手術を受けれない人
・好酸球性副鼻腔炎の人

高価な薬剤でありますが、きちんとした保健医療の治療法です。
(1本:3割負担2万円、1割負担で7千円程)
また、下記のような補助制度もあります。
・高額療養費制度
・好酸球性副鼻腔炎の場合には指定難病に対する医療費助成制度

適応になる患者さんは多くはありませんが、もしも鼻茸でお悩みの場合にはぜひご相談ください。

以下は鼻茸の説明になります。

【鼻茸】
鼻茸は鼻副鼻腔炎から生じる炎症性腫瘤です。
原因:一般的な慢性副鼻腔炎でも伴うことがありますが、特殊な副鼻腔炎である好酸球性副鼻腔炎と呼ばれる副鼻腔炎が原因でなることもあります。
症状:鼻茸は鼻閉・嗅覚障害・粘性鼻漏・頭痛などの症状を起こします。
診断:鼻腔ファイバーで鼻茸を確認したり、CTでどの部位を中心に鼻茸があるかなどを見ます。特殊な副鼻腔炎の診断のために鼻茸を一部採取して顕微鏡でみる検査を行うこともあります。また、採血検査で好酸球数の確認やアレルギー反応の確認を行うこともあります。一見すると鼻茸でも、他の腫瘍のこともあります。乳頭腫や悪性腫瘍のこともあるので、増大してくるようなら採取して検査をします。
治療:内服や点鼻薬、手術に分かれますが、慢性副鼻腔炎の治療に準じます。鼻腔をふさぐほどの鼻茸がある場合、ステロイドの内服治療を行うこともあります。